2008年04月29日

ガンダムエースの思い出

コメントに質問がありましたので、こっちに回答を書きます。

「ガンダムエース」という漫画雑誌に、ガンダムの作者の富野由悠季さんとの対談が載っています。
(ただ、僕は海外にいるので確認していません。こちらのブログのコラムで質問をうけて初めて発売日を知りました。3月の一時帰国のときに対談し、先月メールで校正したので、そろそろだとは思っていたのですが→いい加減でスミマセン)
お察しのとおり、富野さんが「神の棄てた裸体」を読んで対談の話をもってきてくれたのです。

富野さんは、一言でいえば、とても誠実な方でした。
あれほど繊細で、やさしくて、気を遣っている方は珍しいと思います。
富野さんといえば、それこそ宮崎駿さんに匹敵するようなアニメ界の「巨人」です。
(一説によると、なんとガンダム市場だけで4兆円にもなるそうです。これは出版業界全体の市場よりもはるかに大きなものです。すごいですよねー)
にもかかわらず、2、3時間の対談の間、ずっと人一倍ライターの方や、角川の編集の方や、カメラマンの方に気をつかっておられたのが印象的でした。自分の子供よりも年齢が離れているような僕に対しても終始敬語で話してくださいました。
正直、どんな一般社会で考えても、あんなに立派な方はそうそういません。

実は、対談する前に知り合いから「相当パワルフな方らしい」と聞かされていました。
たしかに「パワフル」だと思います。
だけど、それは本当に世の中をどうにかしなきゃならないという思いを真剣に抱いているからこそ、自分の繊維のような細くてやわらかい心を隠して、目の前にあるテーマに打ち込まれているからだと思います。しかし、その一方で内面に繊細さとやさしさを抱えている。
そこがものすごく魅力的でした。

ひとつ記憶に残っているのは、富野さんが終始「自分はディスクワークの人間で世の中を知らない。だから外に出ている人に色んなことを教えてもらいたい」と仰っていたことです。
僕は世の中を知るには必ずしも現実的な意味で「外にでる」必要なんてないと思いますし、そもそも富野さんぐらいの人であれば否応にも「外の世界」の方から接触してくることになると思います。
それに外の世界を知らない人があんなに長年にわたって人の心を揺り動かすものをつくれるはずがありません。また、あの方の活動を知っている人なら、あの人ほど外の世界を知っている人も珍しいと思います。
にもかかわらず、いまだに「自分は外の世界を知らない」といい、30歳以上も離れているガキのような僕に対して「教えてください」と敬語でいう。
これは、ものすごいことですよね。

考えてみてください。
一般企業でいえば、本田宗一郎が世界のホンダをつくりあげたあとに、31歳の無名の営業マンに「自分は機械屋なので、営業のことはわかりません。どうぞ営業について教えてください」と頭を下げるようなものですよ。
おそらく富野さんが、人の何倍も真剣に物事にとりくみ、向上心をもって、人の気持ちを考えることができるからこそ、そういう姿勢を貫けるのでしょう。
本当にすごいことです。

正直な話、僕はアニメに詳しくありません。
ぶっちゃけいうと、ガンダムについてはまるで知りません。
しかし、仮に富野さんから「ガンダムの作者」という肩書きをはずしたとしても、上に書いたような意味で、僕は「人」として富野さんほどすばらしい人は滅多にいらっしゃらないと思っています。



kotaism at 00:32 │Comments(1)clip!お知らせ 

この記事へのコメント

1. Posted by slider1234    2008年04月29日 20:57
ご返答ありがとうございます。これからも応援し続けますので、どうか頑張ってください。

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