先日、「週刊ポスト」に載せるエッセーを3本たてつづけに書いた。
一ヶ月に一度のリレーエッセーだったので一ヶ月ごとに書けばいいのだが、仕事をためるのが苦手な性分なので、一度に全部書いて出してしまった。

三本とも、日本に暮らす外国人の不思議な生態をテーマにした。
最初は普通に日本人について書こうと思ったのだが、「石井さんらしい切り口で」と言われたので、それに変更したのである。

そのうちの一つは、むかしメルマガでもちょっと書いたが、日本に暮らす外国人呪術師についてだった。
東南アジアの女性たちは霊的なものを信仰しており、それは日本で働く外国人ホステスも同様である。タイ人ホステスなんかは、みんな霊的なものを信じて疑わない。
こうした人たちのために、外国人呪術師がやってくる。タイ人ホステスが20人いて、一ヶ月に一人が一回ずつ来てくれれば月収二万円以上になるわけで、地方のフィリピンパブが二、三件しかないような場所であっても、呪術師の仕事は十分なりたつのである。
これについては、来月末の「週刊ポスト」を読んでいただければと思うので、これ以上は書かない。
(ちなみに、僕はこの呪術師の存在を20代の初めに知り、日本にいるなら海外にも同じようなものがいるはずだ、と考え、「神の棄てた裸体」という本の取材のとき、中東に暮らすフィリピン人占い師を見つけ出したのである)

これ以外にも外国人の隙間産業というのは色々ある。
先日ちょっと調べていたら、「韓流ホストクラブ」というのがあったそうな。
「冬ソナ」によって韓流ブームがはやった時、その波に乗って韓国人ホステスたちがどっと押し寄せて韓国人ホストクラブをつくったのだ。
はたして、韓国人ホストたちが、みんなヨンさまのような女々しい面をしていたかどうかはわからない。が、韓国ブームにのったおばちゃんたちが、当然押し寄せてくるのはたしかだ。となれば、当然、ビジネスは成功する。考えようによっては、非常にうまいビジネスだと思わないだろうか?
(ちなみに、この韓流ホストクラブは、最近警察によって検挙されまくっているらしい。なんでも、多くのホストがビザなしだったり、見届けだったりするらしい。今でも営業している所をご存知の方がいれば教えてほしい)

韓国といえば、新大久保界隈には、韓国にまつわるいろんなビジネスがある。
レストランや総菜屋や美容院や不動産屋やホテルはもちろんのこと、在日韓国人向けの「韓国ディスコ」「インターネット喫茶」「宗教団体」「カラオケ」などがある。
これは池袋チャイナタウンなんかもそうだろうし、上野や北千住あたりのインド系の人たちが多く暮らす町もそうだろう。ある一定数の外国人がいれば、彼らを狙ったビジネスがかならずといっていいほど出現するのである。
先日、新大久保の町を歩いていたら「外国人向けの結婚相談所」があった。日本に暮らす外国人たちの婚活会社である。これもまた、一定数の外国人がいれば、当然成り立つビジネスだろう。

それとは別に、在日外国人でありながら、日本に対するビジネスをはじめる人もいる。
昨夜ちょっと調べていて面白かったのが、「外国人が経営する葬儀会社」である。日本人向けの葬儀はもちろんのこと、在日外国人の葬儀ビジネスも行っているらしい。
僕も先述の「週刊ポスト」のエッセーに書いたのだが、外国人の中には火葬を禁じている人たちがいる。イスラーム教徒などは、火葬されたら地獄に落ちると信じており、絶対に土葬でなければならない。
そのため、日本でパキスタン人やイラク人などが死亡した場合、冷凍保存してわざわざ祖国に送り返すらしい。でも、これだけイスラーム教徒が日本にいれば死んでいる人もたくさんいるわけで、それがある程度いればこのビジネスは十分なりたつということになる。
(こちらも詳細は「週刊ポスト」のエッセーをご覧いただきたい。これが載るのは、たしか1月だったと思う)

以下をご覧いただきたい。それの一例である。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/yw/yw06010101.htm
http://www.gazotube.com/L0u90MpwtHc.html
http://huaquero.blogspot.com/2007/09/30.html

日本には、外国人たちが繰り広げる「別世界」がある。
日本人は日本に暮らしていながら、なかなかその存在に気づかないが、中に入ってみると、ものすごくいろんなものがのぞけて面白い。「え? こんなのが日本にあったの?」という驚きがある。

実は、来年の春ぐらいから、某出版社で「在日外国人たちの成功したビジネス」を紹介する連載企画を始めることになった。
韓流ホストクラブでも、葬儀屋でも、呪術師でも、ディスコでも何でもいいのだが、外国人が日本でやっている面白いビジネス(かつ成功したもの)を追っていくという企画である。

というわけで、例のごとく、もし「在日外国人の面白い職業」をご存知の方がいたら教えてもらいたい。
あるいは、横のつながりを活用したいので、「顔の広い在日外国人」などがいたら、その人に聞いて誰かを紹介してもらいたいと思っているので、ご連絡をいただきたい。もちろん、本人にはまったく面識がないけど、ネットとかにこんな面白い外国人の商売が紹介されていた、という情報でもOKです。ぜんぶまとめて、ご連絡下さい。
失礼がないようにしますので、宜しくお願い致します。

……なんだか、最近、ビジネスやお金についての仕事が増えてきた。
いま幻冬舎ですすめている「物価」の企画もそうだし、今度「週刊ポスト」で先述のエッセーとは別に、日本の性風俗ビジネスについてのルポをやることになった。金やビジネスにまつわるルポだけで、4企画ほど進んでいる。
個人的には、ちょっと意外な展開であるけど、面白ければOKだと思っているので、なんでも経験としてやってみたい。

そうそう、企画と言えば、本日ミシマ社の社長さんと新企画の打ち合わせをしてきた。
こちらは、おそらく出版業界でも、初めての試みをやる予定でいる。まったく新しい書籍のつくり方である。
個人的も、社長さん的にも、せっかくミシマ社でやるのだから「え? そんなやり方あり?」というものをやってみたいと考えている。
すでに枠組みは出来上がっているので、おそらく、来週末ぐらいには、詳細がUPされ、12月ぐらいからスタートという形になると思う。本の企画なのだが、皆様も参加できるものなので、是非期待してもらいたい。

それでは、よい週末を!