以前、日本に暮らす外国人イスラーム教徒と話していた時、ふとあることが思い浮かんだ。

イスラーム教徒は、火葬が禁じられている。
では、日本で死んだイスラーム教徒は、一体どうなっているのか。

これを尋ねてみたところ、イスラーム教徒から面白い返答が返ってきた。
こんなものだ。

「日本で死んだイスラーム教徒の埋葬には、二つの道がある。一つが、冷凍保存して、飛行機に乗せられて帰国する方法だ。これは、二百万円ぐらいする。
二つ目が、日本のイスラーム墓地に埋める方法だ。日本には、イスラーム教徒専用の土葬墓地がある。そこにイスラームのやり方で埋葬されるんだ」

ただ、この男性は、友人が日本で死んだことがないため、詳しいことはわからないということだった。

僕は、ずっとこれについて知りたいと思っていた。
冷凍保存とは、どうするのか。イスラーム墓地はどこにあって、どんな形をしているのか。

それから何年かたった。

去年の秋ぐらいだったろうか。
ＮＨＫ出版の福田さんという方が、会いたいと連絡をくれた。で、飯田橋で会った。
その時、福田さんから新書化前提で、ウェブマガジンに連載しないか、という話をもらった。
じゃあ、何を書こうかとアレコレ話をしていたところ、ふと外国人の冷凍保存のことを思い出し、意気投合してそれをやろうという話になった。
ただ、冷凍保存だけでは、テーマが小さすぎる。
そこで、日本における外国人の面白い「異国文化」をめぐる取材をしていこうということになった。

たとえば、イスラーム教徒だと割礼（ペニスの皮を子供のころに切る）をする。
では、日本で生まれたイスラーム教徒の子どもたちは、どこで、どのように割礼をしているのか。

あるいは、日本には韓国人や中国人のやっている犬料理がある。
こうした犬はどこから、どのように輸入されてきて、裁かれ、料理になっているのか。

また、宗教の話もある。
日本には、韓国人が運営している新興宗教の教会がいくつもあるが、彼らは日本のホームレス数百人から数千人を集めて、なにやら怪しいことをしている。
彼らは何の目的で、何をしようとしているのか。

もちろん、ビジネスの話もある。
日本の廃品回収車が集めているオーディオ機器や車の部品などが、アフガニスタンやイラクまで運ばれてビジネスになっていることをご存じだろうか。
それは、どのような方法で、どういう道をたどっているのか。

と、そうした諸々のことを、面白おかしく、しかし大真面目にやることになった。
期間は約1年間。月に二回（奇数週の月曜日）に更新となる。もちろん、無料で読めるので、暇な時に読んでいただきたい。


■タイトル
「ニッポン異国紀行〜在日外国人の死体冷凍・割礼・犬料理」

■更新
毎月奇数週の月曜日

■ＵＲＬ
http://www.nhk-book.co.jp/magazine/



ちなみに、河出書房新社のＷｅｂマガジンで連載中の『飢餓浄土』は先月から「偶数週の月曜日」の更新になっている。
つまり、毎週『飢餓浄土』か、『ニッポン異国紀行』が読めるのである。

『ニッポン異国紀行』は一年間の連載になるので、もしその間に、みなさんの周りにある「とんでも異国文化」があれば、ゼヒ教えてほしい。
「こ、これは！」という情報なら、すぐに飛んで行って取材しますので。

それでは、これからも引き続き宜しくお願いいたします。