『蛍の森』(新潮社)が、本日発売になりました。



■作品内容
その森は国に棄てられた者が集う場所――
四国の山村で発生した謎の老人連続失踪事件。
容疑者となった父親の真実を探るべく、私は現場へと向った。だが、そこに待っていたのは、余りにも凄絶な「人権蹂躙」の闇だった……
いま蘇る、理不尽な差別が横行した六十年前の狂気。
人はどこまで残酷になれるのか。救いなど存在するのか。
長年の構想を結実させた情念の巨編!  ノンフィクションの旗手が挑む慟哭の社会派ミステリー!


本書は、私が10年来温めてきたテーマであり、二年間をかけて全力で取り組んだ本です。
実際、私はこのテーマについて20代のころから取材をしたり、資料集めをしたりしてきましたし、 『小説新潮』での連載が決まってから、つまり『遺体』を書き上げた後の二年間はほぼすべてこれに注力していたといっても過言ではありません。

テーマの詳細については、また追って書き記します。
ただ、なぜこのテーマだったのかについて言及すれば、それが日本史上最大級の「差別」であり、「人権蹂躙」の歴史だからです。
そして、ここで描いた人々が、日本の差別の歴史から抹殺されたかのように語られてこなかった人々だったからです。
なんとか、この人たちの姿を描きたい。このまま歴史に消されるのではなく、形として残したい。いや、残さなくてはならない。
そんな思いがあり、様々な試行錯誤の結果社会派ミステリーという形で描くことにしました。逆に言えばそういう形でしか描けないことが数多くあったからです。
(その詳細については、後日このブログで書いていきたいと思います)

いずれにせよ、これは私にとって全身全霊を傾けた、第二の処女作ともいうべき作品です。
どうか手に取って一読をお願いできれば嬉しいです。