6月5日の阿佐ヶ谷でのトークイベントが無事終了。
大勢の方にお越しいただき、お陰さまで事前予約の時点で満員御礼になりました。この場を借りて、厚くお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
しかし、トークイベントというのは、講演と違って１テーマではないので難しい。
講演の場合は、1から10まで僕の方で話の内容を決められるので、参加者の属性やその場の雰囲気に合わせて何とでもできる。
また、1×1のトークセッション、たとえば前に蔵前仁一さん（三省堂）や山崎まゆみさん（紀伊國屋）とやったようなものであれば、トークバトルなので、どなたとやるかで話の内容が全然違ってくる。
個人的には前者はしゃべる人間の力量、後者はどなたとやるかですべては決まると思っている。
が、今回のように司会×ゲストだと、ちょっと違う。
司会の方から質問を投げかけられ、それに対して答える方式。
なので、僕の方で話の内容を膨らまそうとしても、質問の内容によって限界がある。
逆に言えば、7割ぐらいは、司会の方から投げかけられる質問、あるいはツッコミによって内容が決まってしまうのだ。
さらに、今回は、「旅の夜」というイベントの骨格があった。
すでに何度もやっているイベントで、こういう雰囲気でこういう流れで、というテキストがあった。
となると、こっちもそれに合わせなければならない。（が、僕は「旅の夜」というイベントは初めてだったので、趣旨がよくわからなかった）
で、話をいただいた直後は、旅の夜というイベント自体のファンが8割ぐらいになるのだろうと思っていた。
だから、その参加者を知っている司会の方にすべてをゆだねた方が得策だろうな、と思ったのだ。
しかし、企画が進んでいくうちに、どうも違うような気がしてきた。
簡単に言えば、僕がブログやツイッターで募集したり、新潮社の方が広告してくれたところから参加してくださる方が圧倒的になってきたのだ。
正確にはわからないが、今回は9割がそうだったのではないか。
とにもかくにも、ぶっつけ本番スタートと相成った。
直前に決まったスケジュールだと、第一部で司会からの問いに答え、第二部で参加者からの質問アンケートに答え、第三部で写真を見せて解説をするということだった。
パッと見て、若い女性が7割ぐらい。平均年齢も三十歳ぐらい。
第一部では、本が出来る過程や、出版の事情、それにちょっとした取材のノウハウを司会から受けて応えていった。
意外だったのは、第二部である。
質問がかなり具体的なモノになると思っていたのだが、司会の方が選んで読みあげて下さったものの多くが抽象的なものだった。
たまに笑えるような話もあったが、旅の体験というより、旅の方法とかこれから書きたい作品だとか、なぜノンフィクション作家を目指したのか、とかそういう質問がほとんどだったのである。
カルチャーセンターや大学などで講義した後に尋ねられるような質問が７割ぐらいだった。
で、第三部に突入。
こちらは最初に取材の写真を見せ、その後直接参加者の質問に答える形。
当初は写真の解説をしようということになっていたが、「飲み食いしながらの席であまり気持ち悪い写真を見せるわけにはいかない」という配慮からスライドショーのような形をとる。
最初に何十枚か写真を見せ（途中でＰＣが壊れて大半の写真を見せられなくなったらしい）、その後に質問に答えていったのだ。
さらに驚いたのは、ここにきて、質問がさらに抽象的になったこと。
たぶん、それまで抽象的な話をしていたので、その延長で質問がなされたためだと思うが、「取材における写真撮影の仕方」とか「作家としてＷｅｂの利用の仕方」といった質問が大半だったのである。
3月に『ｇ２』のシンポジウムで「電子書籍の時代」みたいなことをやったが、まさしくそこで飛び交ったような質問も交じっていた。
そんなこんなで終了したのだが、反省点としては具体的な話が少なかったことなどだ。
半分ぐらい一般読者向けの話で、もう半分が作家を目指す人や編集者向けの話になった。
実際、参加していただいた方の立場がわからないので、どっちがいいのかわるいのかわからないが、中途半端になってしまったのかな、とも思う。
ただし、いつも思うのだが、ノンフィクション作品のイベントに参加してくださる方は、真面目な方が多い。
そのため、旅の雑談というより、しっかりとした質問が飛び交うことが多い上、それを求められることも少なくない。
（最初に司会の方にも、こういう質問をしてくれ、ということで、『海外の女性と日本の女性の恋愛についての違い』などを挙げておいてが、スルーされてしまった。下ネタになりかねないと判断されたのか→笑）
ま、そういった所が難しいということである。
次回やる時は、もうちょっとどちらかに注力して話をするべきだろうな。
しかし、途中の休憩時間だったか、終わった後だったかに、サインを求めてきた女性に「頭をなでていいですか」と言われたのには困った。
ご利益がありそうな気がするのかもしれない。
とりあえず、お手拭で頭を拭いてから、なでさせてあげることに。
隣にいた新潮社の足立さんが爆笑し、帰宅直後にツイッターで報告していた。
ちなみに、スキンヘッドの「触感」というのはツルツルではない。
見た目はツルツルでも、皮膚であり、かつ髪をそっているのだから、ザラザラしているのである。ヒゲをそって数時間した後の男の顎の手触りと同じだと言ってもよかろう。
そういえば、昔、僕の頭を触った女性が「なんだ、ツルツルしていない。がっかり」とつぶやいたことがあった。
非常に、屈辱というか、悲しみが大きかった。
「勝手にスキンヘッドの手触りを妄想して、ちょっと裏切られたからといって俺のせいにするんじゃない」
と思ったものである。
願わくば、ロフトで僕の頭をなでて帰って行った女性が落胆し、今後僕の本を読んでくれなくなることだけは避けたい。
とにもかくにも、土曜日はありがとうございました。
追記
イベントで寄せられて応えられなかった質問については、またこちらのブログで後日回答いたします。
もしそれ以外に質問などありましたらこちらのブログかメールでお寄せ下さい。
大勢の方にお越しいただき、お陰さまで事前予約の時点で満員御礼になりました。この場を借りて、厚くお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
しかし、トークイベントというのは、講演と違って１テーマではないので難しい。
講演の場合は、1から10まで僕の方で話の内容を決められるので、参加者の属性やその場の雰囲気に合わせて何とでもできる。
また、1×1のトークセッション、たとえば前に蔵前仁一さん（三省堂）や山崎まゆみさん（紀伊國屋）とやったようなものであれば、トークバトルなので、どなたとやるかで話の内容が全然違ってくる。
個人的には前者はしゃべる人間の力量、後者はどなたとやるかですべては決まると思っている。
が、今回のように司会×ゲストだと、ちょっと違う。
司会の方から質問を投げかけられ、それに対して答える方式。
なので、僕の方で話の内容を膨らまそうとしても、質問の内容によって限界がある。
逆に言えば、7割ぐらいは、司会の方から投げかけられる質問、あるいはツッコミによって内容が決まってしまうのだ。
さらに、今回は、「旅の夜」というイベントの骨格があった。
すでに何度もやっているイベントで、こういう雰囲気でこういう流れで、というテキストがあった。
となると、こっちもそれに合わせなければならない。（が、僕は「旅の夜」というイベントは初めてだったので、趣旨がよくわからなかった）
で、話をいただいた直後は、旅の夜というイベント自体のファンが8割ぐらいになるのだろうと思っていた。
だから、その参加者を知っている司会の方にすべてをゆだねた方が得策だろうな、と思ったのだ。
しかし、企画が進んでいくうちに、どうも違うような気がしてきた。
簡単に言えば、僕がブログやツイッターで募集したり、新潮社の方が広告してくれたところから参加してくださる方が圧倒的になってきたのだ。
正確にはわからないが、今回は9割がそうだったのではないか。
とにもかくにも、ぶっつけ本番スタートと相成った。
直前に決まったスケジュールだと、第一部で司会からの問いに答え、第二部で参加者からの質問アンケートに答え、第三部で写真を見せて解説をするということだった。
パッと見て、若い女性が7割ぐらい。平均年齢も三十歳ぐらい。
第一部では、本が出来る過程や、出版の事情、それにちょっとした取材のノウハウを司会から受けて応えていった。
意外だったのは、第二部である。
質問がかなり具体的なモノになると思っていたのだが、司会の方が選んで読みあげて下さったものの多くが抽象的なものだった。
たまに笑えるような話もあったが、旅の体験というより、旅の方法とかこれから書きたい作品だとか、なぜノンフィクション作家を目指したのか、とかそういう質問がほとんどだったのである。
カルチャーセンターや大学などで講義した後に尋ねられるような質問が７割ぐらいだった。
で、第三部に突入。
こちらは最初に取材の写真を見せ、その後直接参加者の質問に答える形。
当初は写真の解説をしようということになっていたが、「飲み食いしながらの席であまり気持ち悪い写真を見せるわけにはいかない」という配慮からスライドショーのような形をとる。
最初に何十枚か写真を見せ（途中でＰＣが壊れて大半の写真を見せられなくなったらしい）、その後に質問に答えていったのだ。
さらに驚いたのは、ここにきて、質問がさらに抽象的になったこと。
たぶん、それまで抽象的な話をしていたので、その延長で質問がなされたためだと思うが、「取材における写真撮影の仕方」とか「作家としてＷｅｂの利用の仕方」といった質問が大半だったのである。
3月に『ｇ２』のシンポジウムで「電子書籍の時代」みたいなことをやったが、まさしくそこで飛び交ったような質問も交じっていた。
そんなこんなで終了したのだが、反省点としては具体的な話が少なかったことなどだ。
半分ぐらい一般読者向けの話で、もう半分が作家を目指す人や編集者向けの話になった。
実際、参加していただいた方の立場がわからないので、どっちがいいのかわるいのかわからないが、中途半端になってしまったのかな、とも思う。
ただし、いつも思うのだが、ノンフィクション作品のイベントに参加してくださる方は、真面目な方が多い。
そのため、旅の雑談というより、しっかりとした質問が飛び交うことが多い上、それを求められることも少なくない。
（最初に司会の方にも、こういう質問をしてくれ、ということで、『海外の女性と日本の女性の恋愛についての違い』などを挙げておいてが、スルーされてしまった。下ネタになりかねないと判断されたのか→笑）
ま、そういった所が難しいということである。
次回やる時は、もうちょっとどちらかに注力して話をするべきだろうな。
しかし、途中の休憩時間だったか、終わった後だったかに、サインを求めてきた女性に「頭をなでていいですか」と言われたのには困った。
ご利益がありそうな気がするのかもしれない。
とりあえず、お手拭で頭を拭いてから、なでさせてあげることに。
隣にいた新潮社の足立さんが爆笑し、帰宅直後にツイッターで報告していた。
ちなみに、スキンヘッドの「触感」というのはツルツルではない。
見た目はツルツルでも、皮膚であり、かつ髪をそっているのだから、ザラザラしているのである。ヒゲをそって数時間した後の男の顎の手触りと同じだと言ってもよかろう。
そういえば、昔、僕の頭を触った女性が「なんだ、ツルツルしていない。がっかり」とつぶやいたことがあった。
非常に、屈辱というか、悲しみが大きかった。
「勝手にスキンヘッドの手触りを妄想して、ちょっと裏切られたからといって俺のせいにするんじゃない」
と思ったものである。
願わくば、ロフトで僕の頭をなでて帰って行った女性が落胆し、今後僕の本を読んでくれなくなることだけは避けたい。
とにもかくにも、土曜日はありがとうございました。
追記
イベントで寄せられて応えられなかった質問については、またこちらのブログで後日回答いたします。
もしそれ以外に質問などありましたらこちらのブログかメールでお寄せ下さい。
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