最近、死について、色々と思う。
別に死期を感じているわけではない。死にまつわる仕事が何個か来て、やむをえず、死について考えざるを得なくなっているのだ。

今日も、たまたま「行路死亡人」についてのルポをやることになり、打ち合わせをしてきた。
ホームレスなどが道端で行き倒れて死んでいく現状を事細かくルポしてほしいということだった。
行き倒れの現場の写真＆記事を百枚以上見たが、なんとも言えぬ感情になる。この日本で路上死するのはどんな気持ちなのだろう。
100歳以上のお年寄りが相当数行方不明だというニュースが駆け巡ったが、その中には行路死亡人として取り扱われている人は少なくないはず。
認知症の老人、障害者なども相当交じっているだろう。

警視庁のＨＰには、身元不明者の「遺品」がＵＰされている。
以下のＵＲＬを見てほしい。「平成●●年発見」をクイックし、次のページの次のページの各番号をクイックすると、遺品の写真が見える。

http://www.police.pref.osaka.jp/07sodan/mimotofumei/

所持品の少なさを見たり、持ち物を見たりすると、いろんなことを考えないだろうか？

ちなみに、先日ホームレスの取材をしていて行き倒れの死体について話を聞いた。
ＮＰＯの職員がホームレスの親族に電話をして「ご兄弟がホームレスになっている。助けてあげてくれないか」と電話しても、こう返されることが多いらしい。
「ウチには余裕がないので……すみません。もし亡くなったら、連絡を下さい。葬儀代だけは何とかしますので」
なぜ葬儀代は何とかできて、引き取ることはできないのか。
もちろん、いろんな理由はあるのだろうが、こういう話を聞くとせつない。
そういえば、以前、共同墓地を見たことがあるのだが、骨がそれこそゴミのように捨てられているのを見て、何とも言えない気持ちになった。
今度、そこらへんについて某誌で書く予定なので、乞うご期待。

また、死と言えば、最近「エクストリーム自殺」に関心を抱いている。
「過激な自殺」という意味だ。

たとえば、あるサイトからコピペした以下を見てほしい。
こういう自殺のことを「エクストリーム自殺」というのである。

・自動車事故で胸部大動脈損傷したあと5キロほど車を運転して、橋の欄干から５ｍほど飛行して投身自殺した自衛官

・４００ｋｇの重りを自分で身体に縛り付けて海に飛び込んだ高校生

・時速８０キロで、ガードレールとガードレールのわずかな隙間をタイヤ痕ひとつ残さない絶妙な運転テクニックですり抜けて５０ｍ下
　へ転落したナース集団

・ロープを首に巻いて空中浮揚し門扉にひっかかったタクシー運転手

・証拠品の銃を奪い取って別の袋から再装填しわざわざ離して自分の胸に発射、ただちに飛び散った血をふき取って取調室を掃除、この間５秒。

・逆立ちしてマンションの窓際まで、指でひきずった跡をつけながら歩行、足から逆エルードして手すりにぶら下がり、空中で方向転換して50cmの隙間に向けて飛行した市議会議員

・わざわざ動脈と反対側の手や腕の甲を切って自殺しようとするも未遂、自分で自分の背中に針金でおもりを結びつけて川にうつぶせになり死亡

・火の気のない玄関で人体発火現象を起こして、燃え尽きるまで気管に煤が入らないようじっと息を止めて待ってた審査委員長

・手首の甲をリスカして全身をメッタ刺ししてから、血の跡ひとつつけずに非常ボタンを押した証券会社副社長

こちらは大きく分けて二つの意味がある。
一つが、殺人事件を警察が無理やり「自殺」として断定してしまっているために、「ありえない自殺」として完結してしまっているものだ。
もう一つが、自殺者が異常（この言葉が適切かどうかはさておいて）なため、こういうことが起きたケース。
どちらがどうなのかは、緻密に調べてみなければわからない。
だが、なぜこういうことが起きたのかを細かく検討していきたいと思うのである。
こちらは、まだどこにも話を持って行っていないが、言えば企画として通る内容だろう。行路死亡人ついでに是非調べて、どこかで書きたいと思っている。

と、死について書いたついでに言えば、ＮＨＫ出版の連載「ニッポン異国紀行」が始まった。
最初の４、５回ぐらいは、日本における在日外国人の死から埋葬について書いていくつもりだ。
乞うご期待。

https://www.nhk-book.co.jp/rensai/ishii/index.html