面白いことがある。
18日に新刊の「レンタルチャイルド」が発売なのだが、16日の朝の時点で、すでにアマゾンで「中古」が出回っているのである。
なぜ18日発売の本が、16日にすでに中古本として流通しているのだろうか？
以前、まったく同じことを旅行人の蔵前仁一さんがブログで書いていた。
旅行人から出す予定の本が、発売数日前にアマゾンで中古で売られていたという話である。
この時、ブログの読者（業界の人）から、たしか以下のような可能性が示唆された。
１
出版社は、発売前に本をを書評などに載せてもらうために雑誌編集部や新聞社に送る。
だが、その人たちがろくに読まずに、古本屋にすぐに流してしまう。
２
製本所から流れることがあるらしい。例えば3000部の注文でも、余分に製本するわけで、注文者に渡さなかった何冊かが古本屋に流れて、製本職人が小銭を稼ぐという習慣が昔からあるというのである。
詳しいことは、こちらを見てほしい。
ともかく、上記二つの可能性があるということだ。
今回の場合、１の可能性はあまりないと思う。
本自体は、14日に刷りあがっており、メディア（他の出版社や新聞社）には15日に届いている。
15日に届いた本を、16日の朝に古本屋に出して、16日の朝すぐに古本屋がアマゾンにＵＰして売るということはないだろう。村上春樹や東野圭吾の新作ならともかく、僕の本をそんなに早く売る必然性はないし、メディアの人はそんなに暇じゃない。
では、２なのか？
正直、まったくわからない。蔵前さんも書いているが、「噂」でしかない。
真相は、まったく不明である。
いずれにせよ、売るなら発売日前に売らないで、もうちょっと経ってから売った方が怪しまれずに済むのでは？ と助言したい気もする。
有名な作家なら発売数日前に3倍の金額で売っても売れるだろうけど、僕の本を普通の古本の金額で一冊売ったところで交通費の足しにもならないような気がするのだが……
もちろん、上記以外の可能性もあるだろう。
もし詳しい方がいたら、「推理」を教えてほしい。
ともあれ、僕は怒ってこれを書いているわけではない。
へー、こんなことって僕の本のようなものでもあるんだなー、と思っただけである。
ちなみに、新潮社という会社は、僕の知りうる限り、そして出版社の人たちが語る限り「最高に良質な会社」である。
かばうわけではないが、これは新潮社のせいではまったくないと思う。それ以外のところで、いい加減な人がいる、ということなのだろう。
ちなみに、「いい加減さ」といえば、刷った部数をだまして著者に教えるということもある。
たとえば、10000部刷ったとする。通常、著者への印税は刷った部数に対して10％支払われるので、1000円の本なら100万円の支払いということになる。
しかし、出版社の中には、1000部刷ったにもかかわらず、著者には5000部しか刷っていないと言って、50万円しか渡さないケースというのがあるのだ。
これは、方々で聞く話である。
面白いのは、出版社が「ちゃんと刷りました」ということを証明するために、印刷所で何部刷ったという証明書のような紙を送ってくることだ。
おそらく、「ちゃんと刷っているし、その分支払っているでしょ」という証拠として渡しているのだと思う。
ところが、面白いことに、小さな出版社だと、これを渡さない会社が少なくない。
僕自身は自分の名前で小さな出版社から本を出したことがないが、人の本を小さな出版社からプロデュースしたことは何度もある。その時は、この印刷所で何部刷りました、という用紙が届かなかった。
（にもかかわらず、小さな出版社は権利を守るために、『契約書』に様々な条件をつける傾向にある。余所に取られないように、権利をガチガチに固めるのだ。逆に、大きな出版社は前にも書いたように、契約条項はとても少ないし、出版後何カ月もして送られてくることがある）
何度も書くようだが、僕は怒ってこれらのことを書いているわけではない。
こういうことが頻繁にありえるビジネスというのも少なくなっているよなー、とむしろ懐かしむような感じで書いているのである。
出版業界というのは、「ゆるーい」のだ。そして、そのゆるさが、僕は好きなのである。
さて、明日はこの「レンタルチャイルド」の発売日前日ということで、新潮社へ行って諸々の用事を済ませて来る。
久々に会える方もいるので楽しみだ。
では、「発売日」を楽しみにしていてください。
18日に新刊の「レンタルチャイルド」が発売なのだが、16日の朝の時点で、すでにアマゾンで「中古」が出回っているのである。
なぜ18日発売の本が、16日にすでに中古本として流通しているのだろうか？
以前、まったく同じことを旅行人の蔵前仁一さんがブログで書いていた。
旅行人から出す予定の本が、発売数日前にアマゾンで中古で売られていたという話である。
この時、ブログの読者（業界の人）から、たしか以下のような可能性が示唆された。
１
出版社は、発売前に本をを書評などに載せてもらうために雑誌編集部や新聞社に送る。
だが、その人たちがろくに読まずに、古本屋にすぐに流してしまう。
２
製本所から流れることがあるらしい。例えば3000部の注文でも、余分に製本するわけで、注文者に渡さなかった何冊かが古本屋に流れて、製本職人が小銭を稼ぐという習慣が昔からあるというのである。
詳しいことは、こちらを見てほしい。
ともかく、上記二つの可能性があるということだ。
今回の場合、１の可能性はあまりないと思う。
本自体は、14日に刷りあがっており、メディア（他の出版社や新聞社）には15日に届いている。
15日に届いた本を、16日の朝に古本屋に出して、16日の朝すぐに古本屋がアマゾンにＵＰして売るということはないだろう。村上春樹や東野圭吾の新作ならともかく、僕の本をそんなに早く売る必然性はないし、メディアの人はそんなに暇じゃない。
では、２なのか？
正直、まったくわからない。蔵前さんも書いているが、「噂」でしかない。
真相は、まったく不明である。
いずれにせよ、売るなら発売日前に売らないで、もうちょっと経ってから売った方が怪しまれずに済むのでは？ と助言したい気もする。
有名な作家なら発売数日前に3倍の金額で売っても売れるだろうけど、僕の本を普通の古本の金額で一冊売ったところで交通費の足しにもならないような気がするのだが……
もちろん、上記以外の可能性もあるだろう。
もし詳しい方がいたら、「推理」を教えてほしい。
ともあれ、僕は怒ってこれを書いているわけではない。
へー、こんなことって僕の本のようなものでもあるんだなー、と思っただけである。
ちなみに、新潮社という会社は、僕の知りうる限り、そして出版社の人たちが語る限り「最高に良質な会社」である。
かばうわけではないが、これは新潮社のせいではまったくないと思う。それ以外のところで、いい加減な人がいる、ということなのだろう。
ちなみに、「いい加減さ」といえば、刷った部数をだまして著者に教えるということもある。
たとえば、10000部刷ったとする。通常、著者への印税は刷った部数に対して10％支払われるので、1000円の本なら100万円の支払いということになる。
しかし、出版社の中には、1000部刷ったにもかかわらず、著者には5000部しか刷っていないと言って、50万円しか渡さないケースというのがあるのだ。
これは、方々で聞く話である。
面白いのは、出版社が「ちゃんと刷りました」ということを証明するために、印刷所で何部刷ったという証明書のような紙を送ってくることだ。
おそらく、「ちゃんと刷っているし、その分支払っているでしょ」という証拠として渡しているのだと思う。
ところが、面白いことに、小さな出版社だと、これを渡さない会社が少なくない。
僕自身は自分の名前で小さな出版社から本を出したことがないが、人の本を小さな出版社からプロデュースしたことは何度もある。その時は、この印刷所で何部刷りました、という用紙が届かなかった。
（にもかかわらず、小さな出版社は権利を守るために、『契約書』に様々な条件をつける傾向にある。余所に取られないように、権利をガチガチに固めるのだ。逆に、大きな出版社は前にも書いたように、契約条項はとても少ないし、出版後何カ月もして送られてくることがある）
何度も書くようだが、僕は怒ってこれらのことを書いているわけではない。
こういうことが頻繁にありえるビジネスというのも少なくなっているよなー、とむしろ懐かしむような感じで書いているのである。
出版業界というのは、「ゆるーい」のだ。そして、そのゆるさが、僕は好きなのである。
さて、明日はこの「レンタルチャイルド」の発売日前日ということで、新潮社へ行って諸々の用事を済ませて来る。
久々に会える方もいるので楽しみだ。
では、「発売日」を楽しみにしていてください。
